2013年3月26日火曜日

宿問題と奴の巻

日本人は何不自由ない生活を自国でしているお陰様で旅の宿選びにはいろいろと慎重になってしまう。
ホッとシャワーが出るのか?の「シャワー問題」
Wi-Fiがサクサク繋がるか?の「Wi-Fi問題」
ベットのスプリングがヘタっていないか?の「スプリング問題」に「鍵問題」そして「トイレ問題」と問題が目白押し…………
安宿に泊まっているんだもの、この辺りまでの問題はまだ何とか我慢が出来ても
虫問題はあかん!
寝ている間に虫に刺されるような宿だけには泊まりたくないのである。
そんなこんなをクリアーした素敵な宿が今泊まっている宿である
とても気持ちのいい宿で共同のキッチンが付いていて
部屋には大きい窓もあって大変に気持ちがいい。

朝早く又は夜遅く宿泊客が寝ている時間にひっそりとインスタントコーヒーをテラスで飲むのが楽しみだった。

4日前までは…………
ただいまこの気持ちのいい部屋の隣にまったくもって呆返る男が泊まっているのである。
いい歳の中年男で
ドスの利いたガラガラ声が大きく、フレンドリーと言えば聞こえはいいが誰かれ捕まえては大声でしゃべりまくる!大声で歌う!独り言にあってはいけないボリュームで独り言ちる
そして部屋の壁は薄いのだ………
兎に角喧しさ120点満点なのである。
呆れた事にブーブークッションなみのおなら連発で
歯を磨く時のオエオエは最も迷惑行為の一つで
朝っぱらからマリファナスパスパでまたまたオエオエ咳き込んだりするのである。

その上、大音量でウーハーを効かせてレゲーやらクラブミュージックをシスコンを持ち込んで夜な夜な聞き続けるのであるから迷惑極まりない。
ウーハーの効いた喧しい音楽のお陰で眠れない夜を過ごしたべべは機嫌が悪かったのは言うまでもない。

朝っぱらから隣の部屋で大きい音で音楽は鳴り続けていて全く迷惑な奴だと思っていたが………
なんと奴はテラスで管理人を捕まえて大声で喋りまくっていたのである!
つまり奴は部屋に居なかったのだ!

え?なになに?このやかましい音楽は一体誰が聞いているのですか?こんにゃろ~
朝っぱら意味の無いヤカマシさをどんだけ大放出すれば気が済むんじゃい!こんちくしょ〜
資源国並みに負のエネルギー産出量に恐れ入るわ!

わしは言ったよ!
べべ「ちょっと!音楽のボリュウム下げてよ!」
呆れ男「部屋に入ってボリューム下げていいよん~」
べべ「部屋に入ってもいいんだね!」
呆れ男「べべ!僕のものは君のものだよ~」
とか切り返してくるのである!
なんていう厚かましさ!

こんにゃろ~の部屋のシスコンのボリュウムをOffにしてしばし寝ることに………
ああ〜何という静けさ………
そして二時間後目を覚ますとテラスでは時が止まっていたかの様にこんにゃろ〜がでっかい声で
同じ場所に立ってまだ喋り続けていたのである……………
そして奴はその日この宿を去った。

平和が戻って来て嬉しかった。素敵な日々が戻って来てインスタントコーヒーと旅の残り少ない時間を過ごしていた今日になって
後方から「ご機嫌いかが?」って声を掛けられて振り向いた瞬間呆れ男がハグをしてきたのである、マジですか?神様?
べべってなんかこの旅で悪いことしたっけ?
この旅は残すところ後2日だって言うのに…………
ご機嫌いかいかが〜ってご機嫌急に悪くなったわ!

そして男は隣の部屋に入ったかと思いきや
すぐに出てきて宿をぐるり歩き回り話の出来る相手を探していたが居ない事を確認するや否や

何ということでしょう〜(劇的ビフォーアフターのテーマ曲とナレーションよろしく!)
べべの部屋の前の鏡で自分の面積の広い顔を撫でたかと思いきや、廊下でおもむろに腕立て伏せを始めたのある……………
うっとうしさの完成度が高すぎてちょっとイタギモチヨサすら感じ出した。

こう言った一部始終を観察している私も私ですが
なかなか持って旅の最後に誰にでも話せるお土産話が出来たと言えば出来た訳である。